オフィシャルブログ

頼本林業のよもやま話~第11回~

皆さんこんにちは!

 

熊本県菊池市を中心に日本全国で「木を育て、森を作る」林業一式を行っている

頼本林業株式会社、更新担当の富山です!

 

 

 

🌲 国産材と輸入材の現状 ― 日本の木材産業をめぐる流れ

 

 

 

日本は国土の約7割を森林が占める森林大国です。

しかし、戦後から近年にかけて、住宅建築や建材市場の主役は必ずしも国産材ではありませんでした。

長らく海外からの輸入材が主流となり、国内林業は大きな打撃を受けてきました。

では、なぜ国産材が低迷し、今なぜ再び注目を集めているのでしょうか?


📉 輸入材に押された国産材の背景

 

高度経済成長期から1990年代頃にかけて、日本の木材需要は急増しました。

住宅の大量供給や都市部の開発に伴い、国内の林業だけでは需要を賄いきれなかったのです。

そこで注目されたのが 輸入材 でした。

  • 北米からのベイマツ(ダグラスファー)、SPF材(スプルース・パイン・ファー)

  • 北欧やロシアからのホワイトウッドやレッドウッド

  • 東南アジアからのラワン材

 

輸入材は、国内材よりも大量かつ安価に供給でき、規格も揃っていたため大手ハウスメーカーを中心に一気に普及しました。

結果として、国産材は「高い・安定供給が難しい」とされ、利用が減少。

山は手入れが行き届かず、放置林が増加するという悪循環に陥ったのです。


🌱 国産材回帰の流れ

 

しかし近年、再び国産材への注目が高まっています。背景には複数の要因があります。

  1. 環境への配慮
     輸入材は長距離輸送が必要で、その過程で多くのCO₂が排出されます。地産地消である国産材は、環境負荷を抑えられる点で優れています。

  2. 災害リスクの増加
     放置林が増えると、台風や豪雨時に土砂災害や倒木のリスクが高まります。適切に伐採・植林を繰り返す「森林の循環管理」が急務とされています。

  3. 政策の後押し
     2010年に施行された「公共建築物等木材利用促進法」により、学校や役所など公共施設に木材を使う流れが広がりました。これが国産材需要を押し上げています。

  4. 暮らし方の変化
     自然素材を取り入れた住まいが人気を集めています。スギやヒノキなど国産材特有の香りや質感は、輸入材にはない魅力です。


🏠 国産材と輸入材の適材適所

 

  • 国産材(スギ・ヒノキなど)
     柔らかく加工しやすい。香りや調湿性があり、住宅の内装材や柱に最適。

  • 輸入材(ベイマツ・SPFなど)
     強度に優れ、梁や大規模建築に利用される。規格化が進んでおり工業建材に適用。

完全に「どちらかを使わない」のではなく、両者をバランス良く活用することが現代の建築では求められています。


✅ まとめ

 

長らく輸入材に押されていた国産材ですが、近年は 環境・防災・地域活性化 の観点から再評価されています。

森林資源を持続的に循環させるためにも、国産材を積極的に活用し、林業を支えることが社会全体の課題となっています。

 

 

 

次回もお楽しみに!

 

 

 

熊本県菊池市を中心に日本全国で「木を育て、森を作る」林業一式を行っております。

お気軽にお問い合わせください。

 

 

 

お問い合わせはこちらから!

 

apple-touch-icon.png