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月別アーカイブ: 2025年9月

頼本林業のよもやま話~第12回~

皆さんこんにちは!

 

熊本県菊池市を中心に日本全国で「木を育て、森を作る」林業一式を行っている

頼本林業株式会社、更新担当の富山です!

 

 

 

🌳森づくりの工程 ― 植林作業の現場から

 

 

 

森は「伐って、使って、植えて、育てる」という循環があって初めて持続可能になります。

その中でも 植林作業 は、森づくりの最初の一歩であり、次世代に森林資源を残すための重要な工程です。

ここでは、実際の植林作業の流れや意味を詳しく解説します。


🌱 植林の目的と意義

 

植林は、単に木を植えるだけではありません。

  • 木材資源の確保:将来の建築や紙資源に不可欠。

  • 環境保全:CO₂を吸収し、地球温暖化防止に貢献。

  • 防災効果:樹木の根が斜面を支え、土砂崩れや洪水を防ぐ。

  • 生態系の維持:鳥や昆虫など多様な生物の住処を提供。

つまり植林は「人間のため」だけでなく「自然と共生するため」の活動でもあるのです。


🌲 植林作業の流れ

 

1. 苗木の準備

  • 苗畑でスギやヒノキなどの苗を数年かけて育成。

  • 地域や気候に適した樹種を選定することがポイント。

2. 地拵え(じごしらえ)

  • 山の斜面に生い茂った雑草や低木を刈り払い、苗木を植えやすい状態に整備。

  • 石や倒木を取り除く作業も含まれる。

3. 植え付け

  • 人力で斜面に穴を掘り、苗を植えていく。

  • 斜面では等間隔に配置することで成長時の競合を防ぐ。

  • 樹種によって植え方が異なる(スギは成長重視、ヒノキは耐久性重視)。

4. 植栽後の管理

  • 下草刈り:雑草に栄養を奪われないようにする。

  • 獣害対策:シカやイノシシから苗木を守る。

  • 成長が安定するまで5〜10年ほどは継続的な管理が必要。


👩‍🌾 人と地域の関わり

 

植林は林業従事者だけでなく、地域住民や学校、ボランティアが参加するケースもあります。

地域ぐるみで森を育てることは、防災意識の向上や環境教育の一環としても重要です。

最近では企業がCSR活動の一環として植林活動に参加することも増えています。


✅ まとめ

 

植林は森づくりの出発点であり、未来の資源・環境・安全 を守る基盤です。

  • 苗木の準備から植え付け、下草刈りまで長期的な視点が必要

  • 地域や社会全体が関わることで、持続可能な森林経営が可能になる

つまり植林は「木を植える作業」以上に、「人と自然の未来をつなぐ営み」なのです。

 

 

 

次回もお楽しみに!

 

 

 

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頼本林業のよもやま話~第11回~

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🌲 国産材と輸入材の現状 ― 日本の木材産業をめぐる流れ

 

 

 

日本は国土の約7割を森林が占める森林大国です。

しかし、戦後から近年にかけて、住宅建築や建材市場の主役は必ずしも国産材ではありませんでした。

長らく海外からの輸入材が主流となり、国内林業は大きな打撃を受けてきました。

では、なぜ国産材が低迷し、今なぜ再び注目を集めているのでしょうか?


📉 輸入材に押された国産材の背景

 

高度経済成長期から1990年代頃にかけて、日本の木材需要は急増しました。

住宅の大量供給や都市部の開発に伴い、国内の林業だけでは需要を賄いきれなかったのです。

そこで注目されたのが 輸入材 でした。

  • 北米からのベイマツ(ダグラスファー)、SPF材(スプルース・パイン・ファー)

  • 北欧やロシアからのホワイトウッドやレッドウッド

  • 東南アジアからのラワン材

 

輸入材は、国内材よりも大量かつ安価に供給でき、規格も揃っていたため大手ハウスメーカーを中心に一気に普及しました。

結果として、国産材は「高い・安定供給が難しい」とされ、利用が減少。

山は手入れが行き届かず、放置林が増加するという悪循環に陥ったのです。


🌱 国産材回帰の流れ

 

しかし近年、再び国産材への注目が高まっています。背景には複数の要因があります。

  1. 環境への配慮
     輸入材は長距離輸送が必要で、その過程で多くのCO₂が排出されます。地産地消である国産材は、環境負荷を抑えられる点で優れています。

  2. 災害リスクの増加
     放置林が増えると、台風や豪雨時に土砂災害や倒木のリスクが高まります。適切に伐採・植林を繰り返す「森林の循環管理」が急務とされています。

  3. 政策の後押し
     2010年に施行された「公共建築物等木材利用促進法」により、学校や役所など公共施設に木材を使う流れが広がりました。これが国産材需要を押し上げています。

  4. 暮らし方の変化
     自然素材を取り入れた住まいが人気を集めています。スギやヒノキなど国産材特有の香りや質感は、輸入材にはない魅力です。


🏠 国産材と輸入材の適材適所

 

  • 国産材(スギ・ヒノキなど)
     柔らかく加工しやすい。香りや調湿性があり、住宅の内装材や柱に最適。

  • 輸入材(ベイマツ・SPFなど)
     強度に優れ、梁や大規模建築に利用される。規格化が進んでおり工業建材に適用。

完全に「どちらかを使わない」のではなく、両者をバランス良く活用することが現代の建築では求められています。


✅ まとめ

 

長らく輸入材に押されていた国産材ですが、近年は 環境・防災・地域活性化 の観点から再評価されています。

森林資源を持続的に循環させるためにも、国産材を積極的に活用し、林業を支えることが社会全体の課題となっています。

 

 

 

次回もお楽しみに!

 

 

 

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