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日別アーカイブ: 2025年10月16日

頼本林業のよもやま話~第13回~

皆さんこんにちは!

 

熊本県菊池市を中心に日本全国で「木を育て、森を作る」林業一式を行っている

頼本林業株式会社、更新担当の富山です!

 

 

 

下刈り ― 苗木を守る、森づくりの第一歩

 

 

 

森づくりの基本であり、最も地道な作業が「下刈り(したがり)」です。
これは、植えた苗木の周囲に生える雑草や低木を刈り取って、苗木の生育を助ける作業


一見地味に見えますが、森林の未来を左右する大切な仕事です。


下刈りの目的とは

 

植林した苗木は、最初の数年間が最も成長にとって重要な時期です。
しかしその時期、地面には雑草や低木が勢いよく伸び、
苗木の光・水・栄養を奪ってしまいます。

下刈りは、そうした競合植物を取り除き、
苗木が十分に日光を浴び、根を張り、健全に成長できる環境を整えることを目的としています。

放置すれば雑草に覆われ、苗木が枯れてしまうこともあります。
つまり下刈りは、苗木を“守る”ための防衛作業でもあるのです


作業の流れ

 

1️⃣ 作業エリアの確認
 地形や傾斜、植栽密度を確認し、作業範囲を明確にします。

2️⃣ 刈払機や鎌を使って除草
 地面に生えた草や低木を、苗木を傷つけないように丁寧に刈り取ります。
 刈払機を使う場合は、燃料の管理や刃の交換も重要な工程です。

3️⃣ 刈り残しの確認
 草が残ると再び伸びてしまうため、最後に目視で点検を行い仕上げます。


️ 季節と頻度

 

下刈りのピークは、雑草が最も勢いづく初夏から秋(6〜9月)
通常、植林後3〜5年間は年に1〜2回実施します。

特に2年目までは雑草の成長が早く、作業のタイミングを逃すと一気に覆われてしまうため、
天候と草の伸び具合を見ながら計画的に行う必要があります。


使用する道具

 

  • 刈払機(エンジン式・充電式)

  • 手鎌(狭い箇所・急斜面で使用)

  • 安全防具(フェイスシールド・防振手袋・すね当てなど)

下刈りは体力を使う作業ですが、
機械の性能向上により、現在では効率的で安全な作業が可能になっています。


下刈りの効果

 

  • 苗木が日光をしっかり受ける

  • 栄養分を苗木が優先的に吸収できる

  • 病害虫の発生を防げる

  • 美しい林内景観が保てる

つまり、下刈りは将来の木材品質と森林の健全性を守る第一歩なのです。


まとめ

 

森づくりは、苗を植えた瞬間に終わるわけではありません。
その後の手入れこそが、木を健やかに育てる鍵。

下刈りは、地道だけれども確実に“未来の森”を育てる仕事です。

草を刈ることは、木を育てること。
今日も静かな山の中で、苗木の未来を支える音が響いています。

 

 

 

次回もお楽しみに!

 

 

 

熊本県菊池市を中心に日本全国で「木を育て、森を作る」林業一式を行っております。

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