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日別アーカイブ: 2026年9月8日

頼本林業のよもやま話~第54回~

皆さんこんにちは!

 

熊本県菊池市を中心に日本全国で「木を育て、森を作る」林業一式を行っている

頼本林業株式会社、更新担当の富山です!

 

 

 

水源涵養林の役割

― 森林はどのように水を蓄え、育むのか ―

 

 

 

山に降った雨は、やがて沢や川へ流れ込み、私たちの生活や農業、産業に利用されます。

その水の流れを支えているのが森林です。雨水を受け止め、地中へ浸透させ、時間をかけて川へ送り出す森林の働きを「水源涵養機能」と呼びます

森林はコンクリート製のダムのように水を一か所へため込むわけではありません。落ち葉や土壌、植物の根などが関係しながら、水の流れを緩やかに整えています。

今回は、水源涵養林が果たしている役割と、その働きを維持する林業の大切さについてご紹介します。

 

 

 

水源涵養とは?️

 

水源涵養とは、雨水を土壌へ浸透させて一時的に蓄え、河川へ流れ出す量や時間を調整する森林の働きです。

林野庁では、森林の水源涵養機能として、洪水の緩和、水資源の貯留、水量の調節、水質の浄化などを挙げています。

山へ降った雨がすべて地表を一気に流れれば、雨の直後に川の水量が急増し、その後は水が少なくなるという大きな変化が起きやすくなります。

 

 

 

落ち葉が豊かな土壌をつくります

 

森林では、毎年多くの葉や枝が地面へ落ちます。

それらは虫や微生物などによって少しずつ分解され、土壌の一部になります。植物の根が伸びたり、土の中の生き物が活動したりすることで、森林土壌には多くの隙間がつくられます。

この隙間が、水を受け入れるための大切な空間です。

落ち葉が積もり、柔らかな土壌が育っている森林では、雨水が地表だけを流れず、地中へ浸透しやすくなります。森林土壌は、長い年月をかけてつくられる自然の貯水層ともいえるでしょう

 

 

 

洪水の危険を和らげる働き☔

 

大雨が降ったとき、森林の枝葉や地面の落ち葉は雨を受け止め、その勢いを和らげます。さらに、雨水の一部が森林土壌へ浸透することで、河川へ流れ込むタイミングが分散されます。

この働きによって、川の水量が急激に増えるのをある程度緩和することが期待できます。

ただし、森林があれば洪水を完全に防げるわけではありません。非常に強い雨が長時間続き、土壌が水を十分に含んだ状態になると、それ以上の水を受け止めにくくなります。

森林の力には限界があるため、河川整備、治山・治水施設、避難計画などと組み合わせて地域の安全を守ることが大切です⚠️

 

 

 

川の流量を安定させる役割️

 

水源涵養林は、大雨のときだけ役立つものではありません。

地中へ浸透した水は、土壌や岩の隙間を通り、時間をかけて沢や川へ流れ出します。そのため、雨が降っていない時期にも、川の流れを支える役割を果たします。

この働きは、家庭で使う水だけでなく、農業用水や工業用水などにも関係しています。

私たちが蛇口をひねれば水を使える暮らしの背景には、ダムや水道施設だけでなく、上流にある森林と、そこから続く水の循環があります

 

 

 

水をきれいにする働き✨

 

雨水が森林土壌を通る際には、土の粒や有機物などによって濁りの原因となる物質が取り除かれたり、水質が変化したりします。

森林の地面が植物や落ち葉で覆われていれば、土砂そのものが川へ流れ込むのを抑えることにもつながります。

ただし、森林がすべての汚染物質を完全に取り除くわけではありません。水源を守るには、森林を適切に管理するとともに、ごみの不法投棄や水質汚染を防ぐ取り組みも必要です。

森林を守ることは、私たちが利用する水の環境を守ることでもあります

 

 

 

水源林にも手入れが必要です

 

人工林では、木が成長すると林内が混み合い、地面まで光が届きにくくなることがあります。

必要に応じて間伐を行い、木の密度を調整することで、残された木の成長や下層植生の回復を促します。下草が地面を覆えば、雨による土壌の流出を抑える働きも期待できます。

また、伐採後の再造林や若い木の保育も重要です。

木を伐ることと育てることを計画的に繰り返し、森林を長期的に維持することが、水源涵養機能を未来へ引き継ぐことにつながります。

 

 

 

森林と水を守る林業の仕事

 

林業に携わる人は、木材を生産するだけでなく、森林の状態を確認し、必要な手入れを行っています。

下刈り、枝打ち、間伐、伐採、再造林など、一つひとつの作業には意味があります。

水源に近い森林では、土砂や伐採した枝などが沢へ流れ込まないよう、作業方法や林道の使い方にも注意が必要です。地形や天候を確認し、安全と環境の両方へ配慮しながら作業します。

すぐに成果が見えなくても、丁寧に整備された森林は、数十年先の水環境を支えます。長い時間軸で自然と向き合うことが、林業の特徴です

 

 

 

まとめ

 

水源涵養林は、雨水を森林土壌へ浸透させ、川へ流れ出す時間や量を調整しています。

洪水の緩和、水資源の貯留、川の流量の安定、水質の保全など、その働きは私たちの生活と深く関係しています。

しかし、その機能を維持するには、森林を放置せず、状態に合わせた整備を続けることが大切です。

山で行われる林業の仕事は、遠く離れた町の水道や田畑にもつながっています。森林を育てることは、未来の水と暮らしを守ることなのです

 

 

 

 

次回もお楽しみに!

 

 

 

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