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日別アーカイブ: 2026年9月1日

頼本林業のよもやま話~第53回~

皆さんこんにちは!

 

熊本県菊池市を中心に日本全国で「木を育て、森を作る」林業一式を行っている

頼本林業株式会社、更新担当の富山です!

 

 

 

森林が土砂災害を防ぐ理由

― 木の根と森林土壌が山の斜面を守る ―

 

 

 

 

山に広がる森林は、木材を生産する場所であるだけでなく、私たちの暮らしを自然災害から守る大切な存在です。

特に日本は、山地が多く、梅雨や台風、集中豪雨などによって大量の雨が降る地域です。急な斜面へ強い雨が降り続けると、土砂崩れや土石流、表面の土が流される土壌侵食などが発生する危険があります⚠️

こうした災害の危険を軽減する働きを持っているのが森林です。では、木が生えていることで、なぜ土砂災害を防ぎやすくなるのでしょうか。

今回は、森林が持つ防災機能と、その機能を維持する林業の役割についてご紹介します。

 

 

 

木の根が土をつなぎ止めます

 

森林が斜面を守るうえで重要な役割を果たしているのが、地中に広がる木の根です。

根は、幹や枝を支えるだけではありません。地面の中で縦横に伸び、周囲の土をつかむように広がっています。複数の木の根が地中で入り組むことで、表層の土が斜面から滑り落ちにくい状態をつくります。

太い根だけでなく、細かな根も土壌をまとめるうえで大切です。木の種類や樹齢、土の深さ、地質などによって働き方は異なりますが、健全な根が張った森林は、何も生えていない斜面と比べて土が流れにくくなります。

 

 

 

落ち葉が地面への衝撃を和らげます

 

強い雨が裸地へ直接当たると、雨粒の衝撃によって土の粒がばらばらになり、水と一緒に斜面の下へ流れやすくなります。

森林では、樹木の枝葉が最初に雨を受け止めます。地面には落ち葉や枯れ枝、下草などが重なっているため、雨粒が土へ直接当たる力も弱められます。

落ち葉の層は、土の表面を覆う自然の保護材のようなものです。雨による侵食を抑えながら、雨水が地面へ染み込むのを助けます

そのため、防災機能を考える際には、大きな木だけを見るのではなく、下草や落ち葉を含めた森林全体の状態を確認することが大切です。

 

 

 

森林土壌が雨水を受け止めます☔

 

手入れされた森林の地面には、落ち葉や枯れ枝が分解されてできた有機物が蓄積しています。そこには植物の根や小さな生き物の活動によって、大小さまざまな隙間が生まれます。

この隙間が多い森林土壌へ雨が降ると、水は地表を一気に流れるのではなく、地中へ浸透しやすくなります。

雨水が地中へ染み込み、ゆっくりと移動することで、斜面表面を流れる水の勢いを抑える働きが期待できます。また、河川へ水が急激に集中するのを和らげることにもつながります。

木の根、下草、落ち葉、発達した土壌が一体となって、山を守る仕組みをつくっているのです

 

 

 

森林があれば絶対に崩れないわけではありません

 

森林には土砂流出や表層崩壊を抑える働きがありますが、すべての土砂災害を完全に防げるわけではありません。

長時間の大雨によって土壌へ大量の水がたまった場合や、地質が崩れやすい場合、地中深い場所から崩れる場合などは、森林があっても災害が発生する可能性があります。

森林の防災機能を過信せず、危険な場所では治山施設の整備、斜面対策、避難体制などを組み合わせることが重要です。

災害を防ぐためには、森林整備だけですべてを解決しようとするのではなく、地域全体で複数の対策を進める必要があります️

 

 

 

手入れ不足は森林の力を低下させます

 

人工林では、木を植えた後に下刈り、枝打ち、間伐などの手入れを行います。

木が過密な状態になると、森林内へ光が届きにくくなり、下草が育ちにくくなることがあります。地面を覆う植物が少なくなれば、雨によって表面の土が流れやすくなる可能性があります。

また、一本一本の木が十分に成長できず、細く弱い木が増えると、強風や雪による被害を受けやすくなることもあります。

森林が本来持っている機能を発揮するには、その森林の状態に合わせた継続的な整備が必要です。植林したら終わりではなく、長い時間をかけて育てることが大切です。

 

 

 

林業は地域の安全を支える仕事です

 

林業の仕事には、木材を生産するだけでなく、森林の状態を整え、山地災害の危険を軽減する役割があります。

現場では、木の太さや密度、斜面の状態、下草の生え方などを確認しながら、残す木と伐る木を判断します。急斜面での作業やチェーンソーの使用には危険が伴うため、安全装備と正しい手順も欠かせません。

一本の木だけを見るのではなく、森林全体の将来を考えて仕事を進めるのが林業です

自分たちが整備した森林が、地域の住宅や道路、河川、農地を守ることにつながる。そこには、自然と向き合う林業ならではの大きな責任とやりがいがあります。

 

 

 

まとめ

 

森林が土砂災害を防ぎやすくする理由には、木の根が土をつなぎ止めること、枝葉や落ち葉が雨の衝撃を和らげること、森林土壌が水を地中へ浸透させることなどがあります。

ただ木が生えていればよいのではなく、健全な状態を保つための継続的な管理が必要です。

林業に携わる人々による植林、下刈り、間伐などの積み重ねが、森林の防災機能と地域の暮らしを支えています。

山を育てることは、未来の安全を育てることでもあるのです✨

 

 

 

 

次回もお楽しみに!

 

 

 

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